SPORTS HUB

運動する場を創出する「全人類運動計画」 ~SPORTS HUB vol.7~

 

圧倒的な自然。

僕が「Regional Sports(リージョナルスポーツ)」のHPを初めて見たときの印象です。

そもそも最初は、スイムやランニングなどのイベント主催者という印象が強かったのですが、HPを一目見ただけでただのイベント屋さんではなさそうだということが伝わってきました。より内部まで入っていくと、ミッションステートメントやSDGsガイドラインまで記載されています。決め手は「全員が複業です」というワード。

今回はRegional Sportsの代表理事である加藤慶一さんに、立ち上げの経緯やどういった理念で活動されているのかをお伺いしました。スポーツやイベントに対する視点や考え方が非常に新鮮で、気づかされることが多くありました。

※詳細なプロフィールは記事の一番最後に記載しています。

「生きてる感」を創出したい。「Regional Sports」立ち上げの経緯

もともと水泳選手で、大学卒業後も実業団で競技を続けていました。その延長線上で入ったフィットネス業界を盛り上げたいという想いがあり、デジタルマーケティングやメディア事業などの業種にも取り組みました。ここまでは完全に「ザ・競技スポーツ」の人間だったんです。

しかしあるとき、「東京マラソン」を見て衝撃を受けました。フルマラソンという競技を仮装で走っている人がいるんです。それからはフィットネスクラブでも、50代60代の方がガツガツ走ったり泳いだりしているのに注目するようになりました。話を聞くと、トライアスロンやマラソンに取り組んでいると。

自分でも、「競技スポーツ」から「楽しいスポーツ」に視点が変わっているのがわかりました。注目する業界もフィットネスからアウトドアスポーツなどに移り始め、様々なスポーツイベントを知りました。当たり前ですが、スポーツイベントってとても多くの人が動くんですよね。スポーツが地域貢献に繋がるんだ…と。

それからは副業的に水泳のレッスンとWEBメディア運営もはじめ、オンライン・オフライン両方から生涯スポーツに力を入れ始めました。

決定打になったのは2015年の夏、「初島・熱海間団体競泳大会」という12㎞の遠泳大会に仲間と出場したときです。「地球は丸いんだな」と思いましたね。初島から泳ぎ始めたときには海面しか見えないんですよ。仲間と助け合いながら泳ぎ続け、残り2㎞くらいになりようやく熱海の沖が見えたとき、「生きてる」って思ったんです。

速くなるとかではない、この「生きてる感」を広めたいと思い、2018年1月に一般社団法人Regional Sports(リージョナルスポーツ)を立ち上げました。

 

「全人類運動計画」

Regional Sportsではスクール事業に加えイベント事業も開始しましたが、理念としては「生きる力」と「心と身体を健康にする」です。これを達成するための3要素が「運動」「自然」「仲間」だと思っています。

まず、なにをもって「運動」とするのか。私は、散歩や食事も運動だと思っています。また、あくまで運動であって「競技スポーツ」ではないという視点も大切にしています。この、運動をする「場」を増やしたいんです。そして、運動の場に関係する人を増やしたい。

例えば、フィットネスクラブのインストラクターを増やすのは難しいことですよね。でも、週末子どもたちにスポーツを教えている大人は多くいるわけです。「スポーツを教えることで食べていく」レベルではなく、こういった形で運動に関係する人を増やしていきたいんです。もちろん、無償ではなく適正な利益は必要だと思っていますよ。

話を戻します。我々は運動する場を作りつつ、そこで人を繋げていきたいと思っています。ひとつの団体などにこだわりはありません。むしろ、多くの人や団体がどんどん運動の場に入ってきて欲しいんです。もちろん副業でも良いです。利用しあって、マネタイズまで進めば理想ですよね。

私はこれを「全人類運動計画」と呼んでいます。大それた名前ですが、そのくらいの気持ちでやらないと進まないと思っています。

 

運動の「場」と「仲間」を増やす

今では数百人規模の主催イベントを手がけるようになりましたが、我々のイベントでは「ボランティア」という立ち位置のスタッフは作らないようにしています。最低限の謝礼はお渡ししており、あえて言うなら「業務委託」というイメージで現場に来ていただいています。責任をもって業務に取り組んでいただくという意味はもちろんありますが、主催側に入ってきていただきたいという想いがあるんです。

これが、先ほどの「場」の話に繋がってきます。運動の場を増やそうと思ったら、イベント主催者を増やす必要がありますよね。でも、いきなりイベントを主催しようと思っても何からしたら良いかわからないし、そもそもそこまでやろうと思わない。だからこそ、我々のイベント現場ではスタッフに主催者にできるだけ近い位置で関わっていただくことで、未来の主催者という仲間を増やそうと思っているんです。

イベント主催というと大それたイメージになりがちですが、例えば10人くらいの登山もイベントです。趣味の延長で大規模イベントを開催するのは難しいですが、10人規模の登山くらいなら手軽にできそうですよね。その「できそう」に対して、企画・運営などをサポートするプラットフォームも準備中です。「イベントの主催者」と「参加者・ボランティア」の中間があってもいいよね、というのがこの発想の基になっています。

 

みんなの事務局

最近は比較的大規模なイベントも主催するようになりましたが、それも仲間を増やしていく活動の一貫です。また、主催する側になって気づいたのですが、割に合わないことが多いですよね。目に見えない手間がとても多い。それでも動ける人って、運動やその土地が好きな人だと思っています。我々は、その熱意や愛、個人の「やりたい」を実現する「みんなの事務局」でありたいと思っています。

「人」を巻き込み、「場」を創る手伝いをし、小さなイベントを積み上げていくことで運動する人や関係者を増やし、「全人類運動計画」を推し進めていきます。

 

あとがき

「地域スポーツ」の役割は、ひとりでも多くの方がスポーツの楽しみを知り、幸せになることだと思っています。この視点においても、加藤さんがおっしゃっていた「運動」「場」「仲間」の定義は本質だと思いました。

地域には既に多くのイベントがありますが、主催者はほとんど決まっており、関わり方の大半は「参加する」です。「ボランティア」という支える立場での関わり方もありますが、能動的に関わる仕組みにはなっていません。もちろん、それでも成り立ちますが、能動的に支える立場に関与することで、その楽しみは大きく広がります。そこで楽しいと感じた方が仲間を連れてきたり、参加する側に回ったり、そして主催者になる。

この広がり方は確かに無限だなと思いました。また、地域スポーツを発展させる余地がまだまだ大きくあることにも気づかされました。

Regional Sports、そして加藤さんの今後のご活躍が楽しみです!

▼サイドストーリー

 

プロフィール

加藤慶一さん

Regional Sports代表理事。鹿児島県出身。
慶應義塾大学SFC卒業。逗子在住。
「生きる力と幸福があふれる社会を創る」をミッションに「運動を通して身体と心が健康な人を増やす」ために日々試行錯誤中。

▶ HP:https://regionalsports.jp/
▶ Twitter:@k1_kato0524 

松嶋康平(主催)

フリーランスの地域スポーツプランナーとして活動しております。詳細なプロフィールはこちらから。

▶ Twitter:@matsuhira90

-SPORTS HUB

© 2021 まつひら屋/地域スポーツプランナー Powered by AFFINGER5